未解決事件の概要を下記にまとめる。
課長、石川桃子の部下からの信頼は厚い。
的確な判断と素早い指示、豪快な言動とその裏にある繊細な気配りは、携わる者をすぐさま魅了し
それは社内に限らず、あらゆる取引先との折衝においても存分にその人と為りを活かし
男社会の建設業にあってまだ29歳の若さで、彼女は異例の出世街道を歩むこととなる。
「しかし、その出世街道には少し奇妙な点があるんです。
石川にはある噂がありました。
彼女はパイパンである、と」
「まさか、ナチュラルパイパン出世か?」
「さすがデカ長、察しがいい」
「ああ、76年の積み木崩しパイパン事件、ありゃ俺の最初のヤマだ」
「まじっすか?俺、教科書で事件のこと知りましたよ」
「ふん、なんとも後味の悪いヤマだった」
「結局、あのヤマ、ホシの放尿は丸見えだったんですか?」
「もういい、話を続けろ」
「すみません。
つまり、石川はナチュラルパイパンであるが故に出世できた。
これは社内の人間、取引先等関係者からのウラは取れてます」
「しかし・・」
「そう、石川はナチュラルではなく、後天的なパイパンなんです!」
「よし、科研の連中に石川のパイパンがいつ作られたのかを、早急に出してもらえ!
それと、石川の周りで剛毛者がいればリストアップだ!」
「はい!」
「このヤマ、なんか酸っぱい臭いがするな」
注釈:ナチュラルパイパン
パイパンの一種。一般的にパイパンの中では最高級。
源氏物語の中にある、源氏が若紫と最初の関係をもったときに歌った歌
「や、や、やんごとなきパイパンぞえ」
は、通説ナチュラルパイパンを指している。
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